「界面活性剤」
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「界面活性剤」
栄養成分名
・用語 |
意 味 |
「界面活性剤」 |
(Wikipediaより一部抜粋)
界面活性剤(かいめんかっせいざい、surface active agent、surfactant)は、分子内に水になじみやすい部分(親水基)と、油になじみやすい部分(親油基・疎水基)を持つ物質の総称。両親媒性分子と呼ばれることも多い。ミセルなどの分子集合体を形成することで、極性物質と非極性物質を均一に混合させる働きをする。また、表面張力を弱める作用を持つ。
洗剤の主成分であり、有用な性質を多くもつため、工業的に大量に合成・使用されている。サポニンやリン脂質、ペプチドなど、天然にも界面活性剤としてはたらく物質は数多く存在する。
ヒト・環境に対する影響
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内田恵美子・筏義人によって、合成洗剤に含まれている界面活性剤の毒性が、エビデンスによって明らかにされている。
1,培養皮膚モデルを用いた界面活性剤の皮膚一次刺激性の評価によれば、陰イオン界面活性剤の皮膚一次刺激性はアルキル基の炭素数に大きく依存しており、炭素数が9から12
の範囲では添加濃度が0.5 wt%以上で陽性を示すが、炭素数が少ない場合や14 以上では添加濃度が1wt%であっても細胞生存率は80%以上であり、陰性を示す。 これらの皮膚一次刺激性は界面活性剤の水への溶解性が大きく関係しており、溶解性が高いほど皮膚への浸透が高く陰性を示すといえる。とある。
2,エチレンオキシド付加物からなる非イオン界面活性剤では細胞生存率はエチレンオキシドの付加数にも大きく依存しており、付加数の少ない場合や、アルキル基の炭素数の大きい場合は皮膚刺激性が弱くなる。 適度な付加数をもち、アルキル基の炭素数が10 前後のとき、添加濃度が0.1 wt%以上で細胞生存率は20%以下となり、皮膚一次刺激性は陽性を示す。とある。
3,陽イオン界面活性剤である4級アンモニウム塩では、アルキル基の炭素数にかかわらず、低濃度の被験物質でも細胞生存率が小さく、皮膚一次刺激性は陽性を示す。とある。
このように界面活性剤には刺激性があり、接触皮膚障害をおこすことが、確認されている、また新品の下着類でも、残留界面活性剤などによって接触皮膚障害[4]がおきることを、内田恵美子がその著書(エビデンス)で明らかにしている。
環境への影響については、そのまま河川へ投入すれば水質汚染につながることが指摘されている。具体的には、河川(海)の生物が死滅したり、奇形が発生する、水が濁る、悪臭がする、などである。これまでの研究からこれらの問題と界面活性剤との関連は深いとみられ、なかでも使用量の多い家庭用(あるいは工業用)洗剤の排水は公害として知られ、大きな問題となっている。
概 要
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界面近傍では界面自由エネルギーが高くなり不安定化するので、界面はできるかぎり表面積を小さくしようとする(界面張力)。ひとつの分子内に親水基と親油基をもつ両親媒性の化学構造をもつ物質が界面上に並ぶことにより、この不安定な状態が緩和される、つまり界面自由エネルギーが小さくなる。このような特性をもつ物質を界面活性剤という。
界面活性剤は洗剤用途に大量に使用されているほか、食品や化粧品の乳化剤・保湿剤としても重要な位置を占める。界面活性剤は微妙に化学構造を変化させただけで大きく異なる特性となるため、非常に多くの種類のものが生産・使用されている。
その一方で、洗剤などを含む排水が水質を汚染させ公害の原因となることも指摘されている。
乳化・可溶化
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水と油のように互いに混ざり合わない物質でも、界面活性剤を加えると白濁して均一になる(分離しない)。この白濁した液体をエマルションといい、これの作用を乳化という。このことから界面活性剤は乳化剤と同義で用いられることもある。エマルションは液/液コロイドの一種である。エマルションは熱力学的には不安定な状態であるため、時間が経過するといつかは二層分離する。
液/液コロイドにおいて被分散液体が少量であるとき、それを囲むミセルはきわめて小さく、微視的には膨潤ミセルを呈し、外見上は無色透明あるいは青白い液体となる。これを可溶化 (solubilization) といい、得られた液体はマイクロエマルションという。これは上述の乳化系で得られるエマルションとは異なり、熱力学的に安定であるため二層分離することは無い。可溶化はミセル内に被分散体が取り込まれて起こる現象であるため、ミセル形成が始まるCMCより濃度が高くなると可溶能は急激に向上する。
ここで〇/△コロイドとは、△溶媒に〇溶質を含んだ微粒子(ここではミセル)が分散している系のことである。固/水コロイドならば、ミセル中に固体を取り込み水中に分散しているものを指す。
界面活性剤の性質を利用した主要製品
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家庭用洗剤など
洗濯用洗剤はまず、界面張力を低下させてその水溶液をすばやく布地に染みこませ、汚れ(有機物)をはがして水溶液中に分散させる。最後に流水で流すと汚れが流される仕組みとなっている。台所用洗剤は、油を乳化させて流水中に押し流すものである。
シャンプーは髪の汚れを同様にして落とす。アニオン性のものを利用している。
化粧品
化粧クリームは水・油分(美容成分)・乳化剤を主成分とするエマルションである。乳化剤はこれらの成分を均一に混合し、適度な流動性を与える。また、化粧クリームのはじめ固体で塗るときに滑らかに広がる作用は、分散状態で固体化しているものに圧力をかける(塗る)と、分散状態における粒子間の相互作用が断ち切られるため、流動性を帯びることによる。ふたたび粒子が凝集して固体化するには時間がかかるので、すぐには固まらない。さらに、皮膚への刺激性が低いこと、毒性がないこと、色や匂いがなく化学変化しにくいなどの特性を求められるため、それらを満たす界面活性剤として、非イオン性のアルキルポリオキシエチレンエーテルや脂肪酸グリセロールエステルなどが用いられる。
表面処理剤
界面活性剤は一般に水に溶けにくい有機化合物とイオン性物質の仲立ちをするものであり、表面改質をするために利用されている。 気/液界面で有効な界面活性剤は、ガラスの表面や衣類などに塗布して様々な性質を帯びさせることができる。撥水剤や防曇・展着剤、潤滑剤、帯電防止剤、媒染剤、防錆剤、金属圧延油などとして利用される。これらの用途は非常に幅広い。
撥水剤では、フッ素系あるいはシリコン系の界面活性剤を、ガラスや繊維に塗布して水をはじく作用をもたせている。展着剤は主に農薬に用いられ、ぬれ性を向上させて植物に薬剤が定着させる効果がある。ヘアーリンスには潤滑剤として界面活性剤が利用されている。また、錆を防ぐには水分を避ければよく、表面に塗布して疎水性の皮膜を作っているものが防錆剤である。他に、生体になじみやすいように表面改質をおこなった生体適合性材料などがある。
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